×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

弄ばれる教育

当事者不在

安倍晋三の置き土産かも知れないが、最近武道の必修化とか、大学の秋入学とか、あまりにも教育の愚策がドカドカと進められているので、我慢できずに筆を執った。

まず教育改革が他の議論と決定的に違う点を言わねばならない。 それは「当事者不在」であるということだ。 すなわち、教育改革の議論に、それによって最も影響を受ける立場である児童・生徒は参加できない。 別に参加させよと言っているのではない。 内田樹の言うように、子供はまだ教育の意味を分からないのだから、子供を議論に参加させたら、子供の未熟な脳みそで役立つ、楽しいと思う勉強しかしなくなり、今よりもっと酷い状態になるに決まっている。 子供は教育改革の議論に参加できないし、参加させるべきではない。

だからこそ、賢い大人が良識を持って、教育内容を決めなければならないのだ。 子供が参加できない分、大人が全責任を負う。 「私は二次方程式の解の公式を使ったことがないから削除しよう」「私は柔道が好きだから柔道を必修化させよう」などという気持ちでは絶対にいけないのだ。 ところが、日本の政治が強者やアメリカに弄ばれているように、日本の教育も一部の大人たちによって弄ばれている。 それらは子供のことを全く考えていない、完全に本人の自己満足のための改革ばかりだ。

武道必修化

今年の4月から中学校でも武道が必修化される。 実際は柔道をすることになる学校が多くなるという。 そんなことをしたら事故が多発するに決まっているだろうが。 礼儀作法とか、馬鹿を言うのもいい加減にせよ。 仮に礼儀作法を学ぶという目的を認めるとしても、なぜ武道なのか、結論ありきだ。 普通に社会人としてのマナーを教えれば良いだけのこと。 全く保守層は、どこまで「伝統文化」とされるものを盲信するのか、もはやカルト宗教の領域である。 伝統文化でも、良いものは良い、悪いものは悪い。

一部には、徴兵制の布石だとする陰謀論めいた見方もあるが、「若者を鍛えてやれ」という想いは多かれ少なかれ推進派には共通しているだろう。 特に、「最近の若者は……」が口癖の老人は、ホイホイと賛成してしまう可能性が高い。 政治は多数決で、これからは高齢社会であることを考えると、恐ろしい未来が予測される。 若者がもっと立ち上がれば何とかなるかも知れない年金問題なんかよりも、当事者である子供が議論に参加できない分、事情は深刻である。 だからと言って子供も議論に参加させる訳には行かないから、保護者やまともな高齢者は、責任を持って反対しなければならない。

大学の秋入学

東大が秋入学を考えており、他の多くの難関大学も追従する見込みだ。 国際競争力のためということだが、欧米の猿真似をして「国際競争力」だなんて、笑わせるな。 逆にオリジナリティがないと思われる。 そりゃあ秋入学にした方が海外の学生を取り込みやすくなることは間違いないが、弊害があまりにも大きすぎる。 本当は別に何月でも良い訳だし、冬の試験はインフルエンザの季節と重なるし、できるものなら秋入学にした方が良いのかも知れないが、長年4月入学で定着してきたものを、海外に合わせるためだけに変えてしまうのは大変すぎる。 中央省庁も秋入省にするという話もあるが、将来的には幼稚園まで秋入園にずらしていくのだろうか。

そして、それまでの半年間の穴埋めはどうするかと言うと、もちろん「ボランティア」だそうだ。 本人の意志に基づかないボランティアは単なる強制労働。 ボランティアは強者にやらせよ。 東大や難関大学の学生から半年も勉強する時間を奪うなんて勿体ない(まあ、偏差値が高い大学の学生ほど金持ちの息子が多いという現実があるから、この辺は微妙な所なのだが)。 問題なのは、教育のためという「目的」が正しければ、ボランティアのような「手段」も正当化してしまう愚民が多いことだ。 「最近の若者は……」の老人も賛成するのだろう。 「ボランティア義務付けは強制労働」と言っても「いや、教育のためなら」と聞く耳を持たないのが悪い。 目的が正しくても、手段が悪ならそれは悪。

では、何をすれば良いのか

私の提案は至ってシンプルで、「一億総エリート教育」をするということだ。 いわゆる5教科を強化し、学習内容を大幅に増加させる。 英語も当然強化だが、小学校ではまだ日本語をマスターする段階であるし、文法を教えず応用の利かない挨拶でお茶を濁すくらいなら、中学校からで良い。 国語や社会ももっと密度を上げ、数学や理科は、できる高校生には大学の一般教養レベルまで教える。 愛国心教育や郷土学習のような、生まれを盲信するのは止めて、世界の文化を満遍なく教える。 その方がよっぽど「国際競争力」になるだろう。 建前を教えるのではなく、社会の汚さを小学校から教え、一刻も早く、子供を「純粋でなくする」。 芸術は、内容を充実させるのは良いが、落書きを芸術だとするような、価値観の押し付けをしてはいけない。

今の東大・京大の合格者は関東や関西に偏っている。 東北や沖縄からの合格者は少ない。 本当は合格できる能力があるのに、周囲が教育に無関心でそれを伸ばせないというのはあってはならないことだ。 地方にも校則なしの進学校を作って上位層を集め、東大・京大合格に向けた教育をする。 日本のどこでも東大・京大合格者が一定の割合になるようにしなければならない。 それから、当サイトの常連の方はもう聞き飽きたかも知れないが、私立医学部にでも行ける返済不要の奨学金。 それができないなら、金がないのに子供を作ることの禁止。 国がまずすべきことは、強者や保守層や老人の自己満足のための改革ではなく、これらのような格差の是正であると断言する。

2012年1月27日 救世主かける様(http://gumin.xxxxxxxx.jp/)

Prev フジテレビ韓国報道問題 トップページへ戻る Next 岩波書店コネ採用問題