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「肖像権法」を制定せよ

肖像権侵害が溢れるネットの現状

実に1年ぶりの新しいコラムになるが、最近気になり始めたことがある。 以前にも動画投稿サイトの問題で少し触れたが、ネット上には他人の容貌がはっきりと写った写真(動画も含む、以下省略)が多数存在している。

例えば、鉄道の動画なんかでは乗客が至近距離で撮影されていることが多い。 迷惑行為を行っている者を盗撮した動画もあることは以前に述べた。 日本国内で最も通行人のネチズン度が高い秋葉原なんかでは、何か起こると直ぐにジャーナリスト気取りのブロガーが集まって来て、携帯電話やデジカメを向けられてしまう。 ブロガーによるメディアスクラムと言うこともできる。 他にも、外国人が回転寿司で皿にカメラを置いてコンベアに流し、客の反応を撮影したという動画も複数存在している。

今年に入ってから、警察官の職務質問の様子を撮影した動画の投稿が相次いだ。 職務中の公務員に肖像権はない、という人がいるが、実際は受忍限度があるということであり、好きに撮影しても構わない、ということでは決してない。 いくら職務質問に問題があったとしても、それらの動画のような形での撮影が許されるべきではない。

それにしても、どうしてこれらのような動画を、動画投稿サイトの運営者は削除しないのだろうか。 まあ、アニメの本編が全てアップされていても、権利者から削除要請が来るまで放置していたような動画投稿サイトに、倫理観を求める方が馬鹿ということである。 この程度の倫理観すら、動画投稿サイトには期待できない。 動画投稿サイトは、現在は著作権の問題だけで手一杯だが、このままでは何れは肖像権も問題になるだろう。

写真家の驕り

写真の道を進めば進む程、人はそれを芸術だと思ってしまい肖像権の問題を考えなくなる。 実際プロの写真家で、作品の為なら盗撮も厭わないという人は少なくないし、マスコミのカメラマンも、あまり考えたことがないという人が殆どだろう。

スポーツの世界でも「スポーツマンシップ」という言葉があるし(プロスポーツの世界は怪しいが)、将棋のようなボードゲームにもマナーが存在するように、ある道を究める者にはそれだけの品格とか、マナーが求められる。 しかし写真の世界ではその逆だ。 最近デジカメを買った、というような人なら「人の流れがなくなった瞬間に改札口を撮ろう(まあそこまでしなくても良いだろうが)」でも、ある程度写真をやっている人は「シャッターチャンスの為に事前承諾なんてやっていられない」という調子である。

このような、「究める程低品格」というのは何も写真に限った話でない。 既にお気付きの読者もいるかも知れないが、「文化」と称して公然と性的なイラストをアップしたり、原作者の許可なくパロディや二次創作を作るオタクの世界もそうだ。 自分がその道に通じるという自覚があるのなら、もう少し謙遜せよ。 そこは、日本人の良い所な筈なのだが。

ブログを見ていると、昔に比べて偶々写り込んだ通行人の顔がぼかしてアップされることが増えてきている感がある。 しかし、前述のような驕っている人は「芸術作品」を加工する訳もなく、ましてや最も悪いパターンである、特定の人物を構図に入れた写真では、それがされることなんか絶対にあり得ない。 このような写真は、偶に議論になることはあっても、それで炎上にまで至るということはない(別に炎上させよと言っている訳ではない)。 肖像権は人権に関わる分、そこらの失言なんかに比べればよっぽど重大なことなのに。 これは、写真家の肖像権意識の低さの現れでもある。

「肖像権法」が必要

これは割と有名なことだが、肖像権は法律で明文化されておらず、あくまで判例上のものに過ぎない。 そして、女子高生とかの撮影なら迷惑防止条例で逮捕できる(ニコニコ静画にも多数アップされているが、容貌がはっきりと写っているものしか削除されない。「犯行の証拠」どころか「犯行そのもの」である写真を放置しているとは、全くどれだけ倫理観がないのだろう)が、そうでなければ、実は撮影するだけでは刑事責任も民事責任も何もない。 そこで撮影者を捕まえて、写真の削除をさせることができなければどうにもならない。 皆あまり考えたことがないかも知れないが、これが日本の現状なのだ。

許可なく、個人(公人を除く)を狙って撮影してはいけないと、法律に明記すべきだ。 そうすれば、その法律に基づいて写真の削除を求めることもできる。 こんなことを言う政治家はどこかにいないだろうか。 探偵やメディアスクラムも違法化できるし、卒業アルバムも改めて全員に許可が求められる。 良いことずくめではないか。 是非成立させて欲しい。

肖像権に限らず、写真に関する法整備はまだまだ全然足りない。 映画の盗撮は最近ようやく禁止されたが、例えば書店で本の内容を撮影する「デジタル万引き」も直接は違法ではなく、住居侵入罪になるとはされているが適用例はない。 ブログの炎上で、対象の自宅を撮影しに行く、という例もある。 これは問題ないのか。 写真に関する法整備は10年のオーダーでかかるのかも知れない。

2009年12月19日 救世主かける様(http://gumin.xxxxxxxx.jp/)

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